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画期的な「二次創作フリー」システムの真相!『戦闘破壊学園ダンゲロス』−−作家・架神恭介さんに聞く!(2)

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前回に引き続き、作家・架神恭介さんの小説『戦闘破壊学園ダンゲロス』についてのインタビューの模様をお送りします。

『ダンゲロス』は突飛な設定、ぶっとんだエログロ描写、ガチンコの能力バトルなど、斬新な要素を色々と盛り込んだ画期的な小説であることを前回窺いました。今回は『ダンゲロス』誕生秘話から、巻末に記された「二次創作フリー」という新しい概念までお聞きします。

■「不特定多数からアイデアをもらった方が面白いものが書ける」

―「ダンゲロス」はTRPG(テーブルトーク・ロールプレイングゲーム)が先行して作られた企画ですが、最初から小説化を考えられていましたか?

いえ、最初は「ハンター×ハンター」の能力バトルをゲームでやってみたいっていうのがあって(笑)。もっとさかのぼると「蓬莱学園」みたいなのをネットでやりたいなあと。その結果、「ダンゲロス」っていうネットゲームが出来たんです。で、プレイしてみたらおもいのほか面白くて、「じゃあ。コレ小説にしようかなー」と軽い感じで書き始めたら、あんな感じになって(笑)。

あと、お読みになっていただければわかると思うんですけど、この小説は基本的に全部TRPGのゲームシステムから出来ているので、TRPGのシステムを小説化するって意味もあるんです。で、その一環として、本作は不特定多数の人々の送ってくれたキャラクター(アイデア)を元に作られているんですが、創作論的に言っても、僕は、作品作りは一人で全部考えて作るよりも、いろんな人の優れたアイデアが集まった方がクオリティの高い作品になると思っているんです。

―いま丁度ジャンプの『バクマン。』で、七峰くんという新キャラが漫画を描く際に、「ネットから厳選した50人に意見をもらいながら創作していく」という方法を展開していますが、架神さんがおっしゃった方法論と少しシンクロしていますね。

そうですね、近いところはあると思います。ですが、彼がブレインを選び抜いた50人に限定しているのに対して、僕は不特定多数からアイデアをもらった方が有効だと考えてます。どんな人からでも優れたアイデアは何かしら出てきますからね。

■「二次創作フリー」で生じる自身の創作へのフィードバック

―「ダンゲロス」が画期的なもう一つの点として、二次創作完全フリーというシステムを採用されていますよね。二次創作やそれに伴う設定の改変なんかも、自由にやっていいよ、と。

僕としては、キャラクターやアイデアを使って、みんなが好きに創作して欲しい、っていう感じですね。この小説を元に、と言うよりは、この小説に含まれるデータやキャラクターを元に、作品を作ってほしい、という感覚です。そして、皆さんが勝手に作ったものもとに、僕もまた勝手に何か作ると。

―二次創作をフリーにするだけでなく、自分も人の創作からアイデアをもらうわけですか(笑)

はい(笑)。現在の著作権ではいわゆる同人二次創作などはグレーですよね。これは親告された場合は著作権侵害となります。著作者によっては、たとえば自分の作ったキャラクターが二次創作者によって全く別の解釈や振る舞いをされることに腹を立てる人もいるかもしれませんし、自分の作品のキャラがエロやBLの題材となることに拒否感を持つ人もいると思います。

しかし、僕個人としては、これもモノは考えようで、自分の創作物が他人にいじられるということは、それだけ自分の作品に新しい解釈をもたらしてくれているとも言えると。不特定多数による自分へのアイデア供給とも言えますよね(笑)

――勝手にアイデアを使われる損失よりも、人からもたらされるアイデアの恩恵の方が大きい、という考えでしょうか。

そうですね。だから二次創作をするときはできるだけ、その人自身のアイデアを込めてほしいですね。その結果、原作破壊的なことになっても、むしろ望むところで、それでお互いのアイデアを勝手に使いあって、各自がオリジナリティある作品を完成させる。こういった方式が創作メソッドの一つとして一般化されるのもアリではないかな、と。「これが21世紀の創作手法だ!」みたいな(笑)

―でも、そうするとアニメ化や漫画化とかされた場合も架神さんには一銭も入らないってことですよね?

お金は入らないけど、でも僕はアニメ化に当たってスタッフの盛り込んだアイデアや演出、新キャラクターなどを利用出来るわけですよね。それは次回の創作に活かすことができます。金銭的なマイナスよりも、アイデアの供給を、それと誰でも自由に二次創作できる環境づくりを優先するほうが長期的に見てプラスだと思ってるんです。

ツイッターで有名な津田大介さんもコピーレフトっていう同じようなコンセプトを採用されるみたいですし、こういう流れは今後あるんじゃないですかね。

■「ダンゲロスのキャラで西尾維新さん的な話を書いてもらっても良い」

―架神さんの作品の魅力のひとつは。良い意味での頭の悪さ、言い換えれば「クレイジー具合」にあると思うんですが、今後ダンゲロスの二次創作が生まれれば生まれるほど、架神さんにしか出せないクレイジー具合がより浮き彫りになると思います、そういった面で自身のブランド化、というような発想はありますか?

いや、あんまりないですね(笑)。ただ、僕の作品やキャラは僕の性格上エログロに傾きがちですが、皆さんにはそういうイメージにとらわれずにやって欲しいですね。僕の作ったキャラで西尾維新さん的な話を書いて頂いても良い訳ですよ(笑)。僕が供給したのはあくまでアイデアという断片ですから。後は受け取った人が、断片を繋ぎあわせて、その人だけの作品を思うように作っていただければ、と。(続く)

※画像:Amazon

(インタビュー=小山内)

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架神恭介
作家。早稲田大学第一文学部卒。著書に『完全教祖マニュアル』『完全HIPHOPマニュアル』『少女マンガに学ぶ恋愛学』など多数。
The 男爵ディーノ(本人のサイト)
『戦闘破壊学園ダンゲロス』
『もしもリアルパンクロッカーが仏門に入ったら』

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